日本の農業改革は、遅々として進まず、いまだ芳しい成果を上げていません。
その原因は何かと言うと、
農協の集票力に頼る自民党、その見返りに保護政策を引き出す農協と農家、
それによって、農業予算を増やす農水省。
この利害が一致する3者が、農業の自由化を阻止してきたからです。
これを「農政のトライアングル」 と言います。
本来は、高い関税をかけて保護するよりも、貿易を自由化して安い食料を
消費者に提供すべきですが、政治家はそれを拒んできたのです。
しかし、急速なグローバル化の進展によって、この仕組みは、もたなく
なりました。
農業保護の問題として、一般的には海外の安い食料が日本に入ってこなくなり、
国産の高い食料を買わされることが指摘されます。
しかし、もっとも深刻な問題は、他の産業の貿易にまで支障が出てくることです。
たとえば、01年に、中国からネギ、生シイタケ、畳表の3品目の輸入が
急増したことがありました。
そのとき、日本政府は、国内の生産者を守るため、中国に暫定一般
セーフガード(緊急輸入制限措置)をかけたのです。
それに対し中国は、すぐさま 報復措置をとり、エアコン、携帯電話、自動車に
100%の特別関税をかけ、日本からの輸入を止めてしまいました。
ネギ、生シイタケ、畳表を全部合わせても200~300億円の貿易額しか
ありません。
しかし、自動車輸出が止まったら、それだけで4200億円の損失になります。
数百億円の貿易を守ろうとして、その10倍以上の損失を出すことになるのです。
これが農業保護の費用です。
構造改革せざるお得ない理由がここにあります。
そこで自民党は、4ヘクタール以上の農家を現金で補助する政策(品目横断政策)
を打ち、生産を優良な農家に集中させました。
ところが、この政策が、「弱者切捨て」 と批判され、07年の参院選では、
農家はすべて補助すべきだと主張した民主党が、支持を得ました。
それが現在の鳩山政権が、進めようとしている、戸別所得補償です。
しかし、これはとても問題がある政策なのです。
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