2010年1月12日火曜日

世界の中で、日本だけが持つデフレギャップという財産

現在も悪化を続けるデフレ問題について、日銀は決して無罪とはいえません。

特に、「日銀券ルール」 と称し、国債の買取枠について、制限を設けて

しまっている点は、いただけない。


日銀券ルールという制限枠があるため、日銀は、諸外国と比べ、国債の

買取金額を拡大できず、バランスシートが相対的に健全化されてしまいました。


最近の円高は、他の主要国において、中央銀行が国債買い取りなどにより、

通貨の流動性を高め、「通貨を希薄化」 させている中、日本銀行のみが

バランスシートの健全性を保ち、円の価値が上昇しているためでもあるのです。


(デフレ環境下では、黙っていても、通貨価値は上がってしまう。)


日銀は、「インフレが怖い」 と言い訳するかもしれませんが、

そもそもデフレギャップとは、

「それが埋まるまでは、決してインフレにはならない」

という 「枠」 の意味を持つのです。


なにしろ、デフレギャップが埋まるまでには、常に 「供給>需要」 という

関係が維持されるため、モノ余りの状況は終わりません。


インフレなどになるはずがないのです。


日本は、デフレギャップが埋まりきるまでは、日銀が国債を買い取り、

(=通貨を供給し)、政府が大々的な景気対策を打ったとしても、決して

インフレにはならないのです。


日本がかかえる巨額のデフレギャップは、世界の中で日本だけしか持ち得ない、

素晴らしい 「財産」 とも言えるのです。



それにもかかわらず、民主党政権は、政府支出削減により、デフレギャップ拡大

に邁進し、デフレ対策を日銀に丸投げしています。


日銀の方と言えば、金融政策のみでデフレ脱却は不可能ということを知り抜いて

いるため、「10兆円の資金供給」 程度の中途半端な手しか打ちません。


本来的には、日銀には、「インフレターゲットの導入」 や、

「国債買取枠の拡大」、あるいは、「前回並みの量的緩和」 など、

ドラスティックな手段をとることが求められているのです。


ところが、日銀は過去(小泉政権下)に、大々的な量的緩和により

デフレ脱却をはかり、最終的に失敗した経験があるため、金融緩和のみの

デフレ脱却には否定的なのです。


なにしろ、日銀の白川総裁自身が 「需要自体が不足しているときには、

流動性を供給するだけでは物価は上がってこない」 と、

反ぱくしようのない発言をしているほどです。


結局のところ、日本がデフレから脱却するには、

「国債発行」「政府支出拡大」「日銀による国債買取」

という、パッケージ的な政策が必要なのです。


政府と中央銀行の協調こそが、現在の日本に求められるものなのです。


現実には、政府は 「ムダ削減」 などとデフレギャップ拡大に専念し、

日銀は、「政府があれでは・・・」 と、全くやる気をみせません。


デフレの進行とは、私たちの所得水準の低下そのものです。


バブル以降の日本経済を苦しめる病気を断ち切るには、私たち一般の

日本国民の知的水準を高め、政府や中央銀行に圧力をかけていくしか

ないのかもしれません。


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