新聞紙上で、日本政府の債務問題(いわゆる財政問題)について報道される
とき、マスメディアはひんぱんに、「日本は借金大国!」 なるフレーズを
用います。
理由は、単純にこのフレーズが、センセーショナルだからと思いますが、
それにしても、悪質なミスリードです。
日本経済の問題は、決して 「借金が多いこと」 ではありません。
むしろ話は逆で、「貯蓄が多いこと」 こそが日本経済の最大の問題
なのです。
そもそも、この 「日本は借金大国」 というワンフレーズだけはよく
見かけますが、ここで言う「借金」 とは、誰が借り、そして誰が貸して
いるかについて、正しく説明した報道は見たことがありません。
ある番組で、司会の女性に、「日本は借金大国というけれど、その借金は
『誰に借りている』 か知ってる?」 と質問があって、不思議そうな
顔で、「外国?」 と返されているのを見て、思わずのけぞってしまいました。
ちなみにメディアが 「借金大国!」 とあおっている、この 「借金」 を
借りているのは、もちろん日本政府ですが、貸しているほうは、日本の
金融機関です。
国内金融機関が、「国債を購入する」 形で、日本政府にお金を貸し付けて
いるのです。
「日本政府が国内金融機関から、お金を借りている額が莫大」 なのを
さして、メディアは、「日本は借金大国!」 と呼んでいるわけです。
確かに政府は、多額のお金を借りているのかもしれませんが、
それを言ったら 「日本の」 金融機関は、莫大なお金を日本政府に貸付て
いるわけです。
なぜ、国内のマスメディアは、あたかも 「日本政府=日本」 という印象を
与える報道を続けるのだろか?
日本国内の金融機関は、「日本」 ではないのでしょうか?
加えて言えば、日本の金融機関にしても、別に自前の資金(自己資金)
で国債を購入しているわけではありません。
日本国債の6割は、国内の民間銀行と生損保が保有しているのですが、
これらの金融機関に集められたお金は、そもそも誰の物でしょうか。
そう。
私たち、一般の日本国民のお金なんです。
私たち、日本国民の預金や保険料が巨額に達し、その 「運用の一環」
として、金融機関は国債を購入しているのです。
ということは、マスメディアが言う、「日本は借金大国!」 の借金を
「貸している」 のは、じつは、日本国民ということになります。
日本国民は、日本政府の借金の債権者であり、債務者ではないのです。
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